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名店が語る「いいたて雪っ娘のここに惚れた!」 − その3・中目黒「クオーレアズーロ」 −

名店が語る「いいたて雪っ娘のここに惚れた!」  − その3・中目黒「クオーレアズーロ」 −

「自分以外の料理人の方が、このかぼちゃをどう感じるか? それを知りたいんです」

いいたて雪っ娘アンバサダーの猿渡浩之さんが持つ想いに触れて、私達も様々なジャンルの料理人が雪っ娘をどう使い、どういった長所や個性を感じるのか知りたくなりました。

そこで、猿渡さんが雪っ娘と共に腕利きの料理人を訪問。インスピレーションと経験を元に作られる一皿を通じて姿を現す魅力をご紹介します。

【参加者プロフィール】

■大貫浩一
神奈川県横浜市生まれ。高校時代に料理人を志しイタリア料理店での修行を経てイタリアへ。3年間でトスカーナ、ピエモンテ、サルディニア、プーリア、マルケの計5州を渡り歩き研鑽を積む。帰国後は神戸でイタリア料理店の立ち上げに携わり、2012年5月にイタリア語で『青い心』を意味する「クオーレアズーロ」オープン。自身が感銘を受けた、イタリア各地に伝わる郷土料理が持つエッセンスを、ストレートに皿の上で表現する。

■猿渡浩之
大阪辻調理師専門学校を卒業後、都内ホテル等を経て会員制高級薬膳レストランの総料理長に就任。その後、本来の食の楽しみを模索・追求すべく、築地市場内の食堂を経て1997年に独立。現在は、完全予約制の料理店「田園調布 廣田」、完全予約制の宅配弁当店「廣田 真之坊」を経営。「ぜいたくな食材を無理なく楽しむ」「身近な食材で驚くほどの豪華さを作り上げる」といったテーマに基づくお任せスタイルの料理が、多くのファンを魅了。信念を曲げず真摯に食材に向き合う姿勢が、現役の料理人からの支持も高い「シェフの中のシェフ」。
【イタリアのかぼちゃ・日本のかぼちゃ】

−−修行先のイタリアで出会ったかぼちゃは、日本のかぼちゃとは違うものでしたか?

大貫:日本のかぼちゃと違って甘くないんです。あと、もっと水分が多くてコリンキーのような食感で。感覚としては和梨とにんじんの間のような。

−−硬さもあって水分をたっぷり湛えていると。

大貫:なので煮崩れないんです。この特性を考えると雪っ娘はイタリアのかぼちゃに似てるなって感じます。しかも数倍おいしい。日本の野菜の中で、イタリアの野菜に勝てるのはかぼちゃだけだと思ってるんです。

−−そこまでの違いがあるのですね?

大貫:イタリアの野菜は、土や太陽のパワーが強いので味が濃いんですが、かぼちゃだけはおいしくなかったんです。ただ、その中でもかぼちゃのリゾットは旨いなって思ったんです。

1月に食べたんですが、2番めのお店にいた時にバカンスで何もやることがなくて、大体どこかにその期間で研修に行くんですが、その前に近くにあったお店に行ったら、このリゾットが出てきて。で、食べたら「すげー旨いな」って。これだなぁって、イタリア料理ってこれなんだなって。

−−シェフがイタリア料理の原点に出会った瞬間なのですね。

大貫:ですね、自分に気付きを与えてくれた料理です。

−−イタリアでは他に、どのようなカボチャ料理が作られるんですか?

大貫:一番ポピュラーなものとして、マッシュ状にしてラビオリに詰めたものがあるんです。特に有名なのが北部のエミリア・ロマーニャっていう州の「トルテッリ」っていう詰め物料理。かぼちゃとアマレッティっていうクッキーを一緒に潰して生地に詰める。ソースはセージとバターと芥子の実で作ったソースで和えるだけ。アマレッティの甘さとちょっとスパイシーなアクセントが効いてて、半分お菓子みたいなんです。

猿渡:そこに牛をクタクタに煮込んだものを絡めると旨そうですね…甘じょっぱい味付けにしたい(笑)。

大貫:あとは玉ねぎとかぼちゃをバターソテーして、パイで包んだりもします。

−−家庭料理としては、どういった形でかぼちゃを使うことが多かったですか?

大貫:自分が一番思い入れのある北イタリアの牧草地帯ではリゾットをよく食べていて、かぼちゃ入りのが多かったですね。一方、南に行くほどかぼちゃを使った料理はほとんど見なかったです。あとはミネストローネに入っていたり、ショートパスタが入ったポタージュみたいな感じになっていたり。

−−こちらのお店はシェフの体験を元にした郷土料理をそのまま出されてますね。

大貫:アレンジしたものもありますが、自分がそういうのが好きなので。ただ、お客さんに届かないときもあって全然オーダーが入らないものも。

猿渡:お客さんの質にもよると思うんです。あと、SNSなどの料理を見て「あれと同じものが食べたい」って。

大貫:表面的な情報だけで判断しちゃうっていうことですね。さっきの話にでてきたリゾットは完璧な郷土料理なんです。イタリア料理はマンマの味、それをイタリア料理と呼ぶべきだと思うんです。見た目の華やかさだけを重視しすぎると、口の中で融合しないし。それって自分にとってはイタリア料理じゃないなって。

猿渡:イタリア料理には中国料理と一緒でつけあわせがない印象。一つの調理器具でできたものがバンと出て来る。

大貫:日本のイタリア料理はフランス経由で入ってきたので、現地のそういうあたり前とは違うスタイルになってしまってるんだと思うんです。もちろん中には、向こうの料理をそのまま持ってきている店もありますが、どちらかといえば少数派ですね。なんか、やぼったく見える料理のほうが「美味そう!」って思うんですよね。カラフルにこじんまり盛り付けられたりしてなくて、「本物はパッと見に茶色いよ!」って(笑)。

−−大貫さんご自身は、かぼちゃに対してどういったイメージをお持ちですか?

大貫:実は、「得意な食材です」って堂々とは言いづらいですね。

−−得意じゃないというのは?

大貫:なんか正解を導くのが難しい食材ですね。かぼちゃの良さを引き出すのが得意じゃないかも。

猿渡:じゃがいもほどないとと困るアイテムでもないですし、さつまいもに比べるとモサッとしてるし、すごく甘いわけじゃないし。その意味ではお客さんにとっても、わかりやすい食材じゃないかもしれないですね。

私は料理する時に、その材料を使うには理由がないと嫌なんです。例えば「この3つの材料が入っているから旨い」っていうものじゃなきゃ。例えばかぼちゃだったらプリン。かぼちゃ独特の食感と香りとカラメルの相性には理由があっていいと思う。お客さんがかぼちゃに求めているのが、わかりやすい甘さというのもあって。

【鮮やかな色合いが映える!大貫さんが作る雪っ娘の長所を引き出す一品・かぼちゃのリゾット】

今回、シェフの原点でもあるリゾットを作っていただきました。材料は雪っ娘、お米、グリンピース、自家製のサルシッチャ、チーズ、そして少量のニンニク。

大貫:ソーセージの塩分もあるので、作っている中で塩を加えても少しだけです。

油を入れた小鍋の中で、油で米をコーティングさせるように馴染ませます。

大貫:日本だとリゾットは『炊く』というイメージですが、実際には『ボイルする』イメージなんです。

次に、1センチほどのサイズにカットしたサルシッチャを加え、同じサイズにカットした雪っ娘も鍋の中へ。

−−皮はイタリアでも剥いて使ってましたか?

大貫:イタリアでもカボチャは皮を剥いてから使いますね。

猿渡:かぼちゃの匂いはどうしても皮のところに出てくるので、それをマイナスと考えた場合は料理をする際には取ったほうがいいと思います。皮を薄く剥いて色のグラデーションを出して、景色として見せるやり方もありますが。

大貫:ここで水です。ブロード(鶏の出汁)を使うと、素材そのものの良さが消えてしまい、どこを食べてもその味になってしまうので水を使います。

大貫:イタリアの水は硬いので、イタリアの水を使う場合には野菜と一緒にブイヨンを作ってからお米に加えます。

かぼちゃを少し潰して馴染ませたところでさらに加熱して、仕上げにチーズとバターを加え、軽く混ぜ合わせたらできあがり。さっそくいただきます!

一口目に驚きが走るおいしさ。シンプルな調理法から生まれた奥深さは、素材一つ一つのポテンシャルを余すところなく引き出し、チーズがまとめあげている。かぼちゃの軽やかな食感と、塩が効いたソーセージの旨味、グリンピースの香りとコク。全てのお米に溶け込んでいるおいしさは食べ飽きることなく、「どうしてこんなに止まらない!?」と一度惹かれた手が離れません。

大貫このかぼちゃ、このリゾットにいいですね!

猿渡:9月の収穫時は硬いし熟成が進んでないので旨味自体はまだ少ないけど、それはそれで別の良さを持っている状態なんです。かぼちゃって煮るとホクホクになって崩れるものですが、これは煮崩れないし色も鮮やかだし。

−−やはり、このリゾットには鮮やかな雪っ娘が向くんですね。

大貫:そうそう。なので、このカボチャはすごくいいと思うんです。いい意味での野暮ったさと鮮やかな色を兼ね備えている。

−−他の国産かぼちゃを使っても、このような感じにならないですか?

大貫:割と当たりハズレが多いかなって。外れるとなんかゲンナリするので使ってないんです。

猿渡:外れるってどんな感じですか?

大貫:ウリ科の嫌な匂いしかしないっていう。追熟加減もあるのかもしれないですね。

−−チーズの合わせ方は、かぼちゃとの相性によって変化させたりされますか?

大貫:物によってチーズの量や混ぜ具合とか変えるんですが、かぼちゃの場合はタレッジョのようなクセの強いものが合いますね。単純にかぼちゃと乳製品とが合いやすいというのもあって。

−−クセの強いものとかぼちゃの組み合わせは、万能なスタイルなんでしょうか?

大貫:やはり、合わせる食材によりますね。ただ、イタリアでもかぼちゃとチーズの組み合わせは定番です。

猿渡:このリゾットの場合は、中にかぼちゃが崩れて中に混ざっているんですが、これがじゃがいもだともっと粘って一体にまとまるものの、かぼちゃだといつまでも独特の粉っぽさが存在感が残る。それが米の粘りと肉の油脂とのまとめ役になっている。

大貫融合しきらないのが、ある意味このカボチャの主張なのかなって。

猿渡初代割烹高橋さんが作った窯焚きごはんも、炊き上がってから(ごはんを)切るからカボチャは崩れて、口に入れればウォッシュタイプのチーズの香りが来るんだけど、中に入った実山椒をかじれば口が一気に引き締まる。そこに隠し食感として細かく刻んだ油揚げがバランスになってる。味の流れを作る構成が上手いと、料理もすごくいい状態になるんです。やはり、こういう風にしたいと思った料理はバシッとまとまるんだなって。

−−リゾットにしても窯焚きごはんにしても、その意味では二番手としての存在として使うことが良さを引き出すということなんですね。

大貫はい、お皿を彩る名脇役だと思います。

大貫:そういえば、私はパイ包みとか毎年一つ必ずかぼちゃ料理を作ってますね。きっとこの時期には恋しくなるんだろうなって。実はこのリゾットはメニューには入れてないんです。でも自分にとって大切な思い出の味なので、作っているうちに嬉しくなりますね。

猿渡:来年は収穫の時から使ってください。私もこのかぼちゃを使うまでは「追熟」って気にしたことがなかったんですが、追熟してない早い時期には硬く甘味も弱目なので、このタイミングから使い始めて、その後の色々な表情に対しシェフのオリジナリティをかぶせていくと楽しいと思います。

進行/撮影/執筆:坂本貴秀(Local-Fooddesign

【店舗情報】
クオーレアズーロ
住所:〒153-0051 東京都目黒区上目黒2-42-12渋谷ビル1F
電話番号:03-5708-5101
営業時間:18:00~25:00(L.O.24:00)
定休日:火曜日
ウェブサイト:http://cuoreazzurro51.com/
facebook:https://www.facebook.com/aoikokorocuoreazzurro

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